島の思い出 Ⅱ-10

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堤防は船に似ている
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 屋久島は、九州本島の最南端・大隈半島の南方約70kmに位置する周囲約130キロ、ほぼ円形の島です。九州一高い宮之浦岳を始めとして、島には1800mを超える山が7つもそびえています。島の位置は亜熱帯気候なのですが山頂は亜寒帯に近い気候となり、日本列島南から北までの自然が、標高差2000m直径たった30Km程度の島にぎゅっとつめこまれているのです。
 特徴のひとつとして年間雨量の多さがあげられます。水温の高い海水から発生する大量の水蒸気が、屋久島にたくさんの雨をもたらしているのです。といっても一日中降りっ放しということはあまりなく、雲が発生しては山にかかって雨を降らせ、雲が過ぎればまたからりと晴れるという、降ったり止んだりの天気です。私はこの天気の変わりやすさにまず目を見張りました。よく晴れていると思いきや、遠方をみると雨を引き連れた壮大な雲が海を滑ってやってきます。水面をみると風の波紋で雨がぐんぐん迫っているのが手にとってわかります。風景は一変し怒濤のような雨を降らせたあと、再び雨に濡れた風景をきらきらと輝かせ、太陽が顔を除かせます。劇的なその様子に私はすっかり心を奪われてしまいました。
 ところで私にとってスケッチに格好の場所だったのは堤防でした。前述の通り屋久島はほぼ円形で、その周りに沿って24の集落が点在しています。山あいからは周囲の海岸にかけてたくさんの川が流れ落ちています。橋がなかったその昔、人々は隣の集落に行くのにもわざわざ舟で渡らなければならず、そのため集落にひとつの港が出来たというわけです。ひとつひとつの港を訪ね、海に長くのびた堤防の先端に立ってみます。誰もいないか、または釣り人がちらほら。空と海がよく見渡せるそこで私はスケッチをしました。潮風を受け、眼下には深い藍色の海がうねります。それはまるで大型船の先端に立つ感覚でした。水の粒子ひとつひとつがまるで意思をもってうねっているようにみえてきます。一日中潮の流れをながめていても、飽きることはありませんでした。
 




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by shiunka | 2013-07-26 09:08 | スケッチ帖・島の思い出