草木染め1
草木染め2
草木染め3
草木染め4
草木染め5
草木染め6
草木染め7
草木染め8
草木染め9
草木染め10
草木染め11
草木染め12
草木染め13
草木染め14
関東地方も梅雨入りしました。
ますます緑は濃さを増し、雨に頭を垂れ、緑陰は闇を帯びていきます。
そんな季節にぴったりの蕗の緑染めです。
緑染めは昨年葛を染めましたが
染液をアルカリ性にして、その後酸性に戻して中和させるという
ちょっと難しいところがあったので、もう一度勉強するために
今回は南足柄の山の方で定期的に開催してくださる草木染めに参加しました。
万葉の森は初夏の光線に透かした青葉が眩しく、
古民家の前に設営されたテントで野外実習です。
この季節の陽射しは強くてくらくらしますが、
外の光が強ければ強いほど、
古民家の中は暗く、ひんやりと涼しく、
煤けた匂いがおじいちゃんの家を懐かしく思い出させます。
今回はイタドリと蕗の葉の二種類の染めでしたが
私は蕗を実習しました。
まず染める材料の四倍の蕗の葉を計り、水洗い。
まな板と包丁で細かく刻みます。
鍋み染材が隠れるくらい水を入れて、沸騰して弱火で30分。
よく煮出して、蕗の黄色味を取り出します。
葛と一緒で、黄色味の出た一番液は漉して捨ててしまいます。
この液でアルミ媒染で染めれば黄色が染まりそうです。
実際に染料にするのは2煎目と3煎目
漉してよく絞った染材を鍋に戻し、
ここで1リットルに1gの割合で炭酸カリウムを入れて煮ます。
沸騰してから弱火で20分で漉します。
2煎目と3煎目合わせたものを10%酢酸で中和します。
10%酢酸を少しずつ入れながらかき混ぜて、
PH試験紙で様子を見ながらPH6.5〜7になるように調節します。
PH6.5~7というのが染める時の数値だそうです。
さあ30分以上地入れしたストールですが、
先媒染します。今回は銅媒染。
染める材料の100倍のお湯(40度)に、銅を、染める材料の15%入れてかき混ぜます。
ストールを入れてかき混ぜてしっかり浸透したら30分浸し、水洗いします。
出来上がっている染液はとても綺麗な濃い抹茶色。
火にかけて温めて、ストールを入れます。
みるみるうちに、色がしっかり入っていきます。
火にかけている間は常によくかき混ぜて、80度まで上げたら火をとめて30分浸します。
その後、しっかりと水洗い、脱水します。
最後に酸払い、水洗い、脱水で仕上げます。
生育状態により色も変わってくるそうですが、
冴えた緑の葛よりも少し渋みのある鶸萌黄、松葉色・・という感じです。
落ち着いたやさしい、梅雨の頃に映えそうな色。
森にはためいた数々のストール、
おとなりのイタドリは同じく銅媒染で赤煉瓦色でした。
残った染液はまだ染まりそうなので、少し頂いて持ち帰って
その日のうちに、もみじ模様の綸子の帯揚げを一枚染めました。
染液は少し薄くなり、やさしい裏葉柳に染まりました。
葛染めのストールと並べると少し渋みのある緑だとわかります。
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