月の夢
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硝子窓に木の葉がぱらぱらと当たる音がした
夜だけれど、昔風の大きな縁側と硝子越しに
黄色い枯れ葉が舞い散っているのがわかる
部屋の隙間から冷たい初冬の外気が伝わってくる
灯りを消すと、すっかり、澄んだ綺麗な夜になっている。
さっきまでは通り雨のぱらついている音が聴こえたのに…
いつのまにか空は晴れ渡り
無数の星とともに白く冷たい月が煌々と照っている。満月で十五夜だ
庭全体を青く幻想的に
木のこずえに残った葉っぱをぴかぴかと照らしている
こんなに空気が冷たいのに、晩秋の名残の虫の声がする
夜、お風呂に入っていると外からもうほんの数匹
三、4匹かの、チロリ、チロリ…としてくるが
今夜は明るい所為なのかこころなしか元気がよい
チロリチロリでも一匹でもなぜだか隣人たちのようでうれしい
心の不思議な部分に語りかけてそれを和らげでくれる
煌々と輝く美しい月夜の下で、庭全体が青く、明るく
今年の名残の虫が鳴き、濡れた葉っぱが風に揺れ、きらりきらりと光っている
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