烏川渓谷の木立。
日が落ちると
様々な虫が大合唱を繰りなす季節になりました。
まだ昼間の暑さが残っているのに…
とても元気で賑やかです。
リンリン リンリン
チッチッ チッチッ
ジージー
リリリリ…リリリリ…
耳を澄ませば十種類、いやそれ以上でしょうか?
ときたまリーーンリーーンと、
鈴虫が高らかな音をたてて入ります。
目を閉じてじっと聴いていると、
まるでなにか別の世界への扉が開かれていくようです。
深遠な、奥行きある世界の存在に気づきます。
普段、歴史にはあまり興味をもっていないけれども、
虫の音を聴いていると
今までの、様々な歴史の栄枯盛衰を思います。
貴族の暮らしから農民の生活、
源平の合戦、様々な争い、
たくさんの戦争、動く境界線、
国が出来て、国が破れていく…
すべての記憶が
そこに込められているように感じるのは不思議です。
もしかしたら虫たちはその過去の記憶を
声高らかに語り合っているのではないでしょうか。
・:,。★゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・
Copyright (c) 2017 Tanaka Migiwa, All Right Reserved.