遠くに相模湾、伊豆半島が西へ手を伸ばす
山のふもとには厚い雲がつらなっている
夕暮れに見慣れてきた風景がなじみ深く、いよいよ親しみをおびて迫ってくる
柳島のはしっこまで自転車で走っていく
自転車を乗り捨てたら行けるとこまで歩いてみる
歩いて行ける一番先端のぎりぎりにたつ
大波にのまれる寸前のところ
世界のはしっこの、すみっこの
ぎりぎりに立つのが好きだから
それで、誰にもみつからない世界のはざまの
ポケットみたいな場所をみつけて
誰にもみつからないよう身をひそめて
大きな相模湾から
大きな海へ流れ出る岸辺で
そこで毎日夕暮れを追うのだ
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