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生と死


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夏の南相木村。虫の音が鳴り響き、細かい雨が降り注ぐ。










昨日は送り盆でしたが、新盆を迎える、ある御宅で、写真をぼんやり眺めていました。

ダイヤモンド婚の記念写真で、ご夫婦ともに着物をお召しでした。

すると、家の人に、「この写真の着物を着せて見送ったんですよ」と教えてもらいました。

黒っぽい紬?の羽織と着物で、写真のご本人は九十代でしたが、

なんとそのお母様が機で織られた自家織の反物で縫われた着物だとのこと。

物持ちの良さと、絹の着物って長持ちするんだなあとびっくりしました。

毎年虫干ししていたんですが?と聞くと、そんなしょっちゅうはしないとのことで・・

でも聞けば、桐ダンスに樟脳を欠かさなかったようで、

改めてそのふたつの効力を思い知りました。




そんなことを考えながら写真を見ていたら、

胸が軽く締め付けられるような感じになりました。

ちょっと涙が出ました。そして、おじさんの意識を感じました。

ああおじさんの意識はやっぱりあるんだ。

いま何処にいるだろう?どんな仕事をしているんだろう?

それはわからないけれど、意識は間違いなく感じる。

死ぬ直前まで意識と自覚がはっきりしていた人だから、

いま自分がどういう状態でどこにいるか、

今も自覚がしっかり出来ているんだろうなあ、とぼんやりと考えていました。




死のことは、「怖さ」と「慰め」の両方を感じます。

また、死、または物質としての身体が無くなったときのことを普段から意識していると、

どこかが痛かったり、だるかったり、疲れていたりするときに、

横になってしみじみと「身体があるんだ・・」と

不思議な喜びもこみ上げてきます。




何があってもどんなふうに思えても、

私たちはやっぱり、好きで頑張って、

この世に肉体をもって生まれていきているんですものね。














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唐松や白樺が織りなす、透明感のある空気。










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